専門職大学院設置基準が平成15年15年3月31日に
文部科学省令第16号として定められてから5年が
経過している。
中でも、鳴り物入りで脚光を浴びたのが法科大学院。
現在74大学院、74専攻がある。司法試験の合格率が思わしくなく、
これから淘汰が始まろうとしている。
私の所属している専門職大学院大学は
IT専門職大学院大学と称しているが、
研究科名は「応用情報技術研究科」である。
文部科学省、高等教育局専門教育課の分類では
ビジネス・MOT
会計
公共政策
公衆衛生等
知的財産
臨床心理
その他
法科大学院
教職大学院
となっている。
ITに重点を置いた専門職大学院は「その他」に
分類されている。個人的には「ビジネス・MOT」に
分類されるべきと感じている。
さて、最近の、専門職大学院への学生の応募状況は、
少子化の影響で厳しさが増すばかりである。
様々な対策を講じているが
好転する兆しはなかなか見えてこない。
文部科学省の最近の専門職大学院の情報サイトには
「専門職大学院が、社会からの高い評価を得て、
将来に向けて発展を遂げていくためには、
各専門職大学院が関係する産業界、学協会、
職能団体、地方公共団体等との連携を図りながら、
制度の趣旨を踏まえ、理論と実務を架橋した
実践的な教育の充実に不断の努力をしていくことが
求められます。」
と書かれている。
趣旨は全くそのとおりである。
1. 省令第16号には
「専門職学位課程は、高度の専門性が求められる
職業を担うための深い学識及び卓越した能力を
培うことを目的とする」 と
明記されている。
2.修了要件
研究指導は必須としない。
修士論文審査に関しても、学位論文は必須としない
となっている。
3. 授業の方法
実践的な教育を行うよう専門分野に応じ、
事例研究、現地調査または、双方向もしくは
多方向に行われる討議もしくは質疑応答
その他の適切な方法により授業を行うなど、
適切に配慮しなければならない
と明記されている。
このような趣旨で設置され、認可されても、
現実は極めて厳しい。
教員は博士号は必須ではなく、実業界から
教員の3割は確保するように指導されているが、
完成年度が過ぎると、教員として採用されるのは、
実業界で、もまれた人材ではなく、大学関係者が増えていく。
実業界との連携を深めるのは、いい人材を輩出するという
実績を挙げ、専門職大学院の価値を認めてもらわないと
協調、協力関係は深まらない。
最大の課題は、日本の雇用慣習である。
実業界から、その時代の鮮度の高いノウハウ、専門知識、
必要な人脈を持った人材を教職に招き、
2~3年で元の職場に戻り、それをキャリアとして認めるという
風土がないのである。一方通行では、転身してきた人材の
切れ味は鈍るばかりである。
また、実業界で、定年を迎える前で現場で高い実績を
挙げている人材を高給で迎えるような、
受け入れ側の環境もない。これからの日本を担う人材を
育成するには、教育側の責任も
極めて大きい。
実業界で、
① 人材の流動化が可能になること
② 高度の技術者については海外の人材の確保
③ グローバルな世界で必要となる英語の普遍化
などの課題への取り組みに積極的になることを
期待したい。
これからは、理想とする教育環境が整備され、
社会人入学が当たり前になり、
学生が新たなキャリア形成により、より処遇の高い
転職が可能な社会に変化するだろう。
私は、これからの高齢化社会が進む中で、
日本が成熟した明るい未来のある
国として持続するためには、
これらは必然的な成り行きと
思えてならない。
今井恒雄
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